ケーススタディ

プラスチック製品の製造時間を、約2~5倍に増幅しました。

状況

パフォーマンスプラスチックス社は、高性能射出成形に特化しています。同社は、顧客から求められる厳しい要求に対応する、特殊で複雑な小さい部品を製造しています。

約30年にわたり、このような非常に厳密な許容差を持つ入り組んだプラスチック部品の製造に注力してきました。医療機器、エネルギー、航空宇宙/国防、産業、電子、食品飲料などの業界で使用されており、現行製品の問題解決だけでなく、他社や次世代に競争力・優位性を生み出す部品として使用されています。

 

「今まで多くの人が試みたけれど成功につながらなかったことを、私たちはデザインから製造まで行っています。使用される材料品質、高度技術のツール、厳密な許容差によって、私たちの製品は優位性を定義されています。」

 

同社は、独自の大量のダイレクトゲーティングホットランナー射出成形プロセスを使用して、大幅に廃棄物とコストを削減することで、部品1個当たりのコストを大幅に引き下げています。彼らはPEEKが初めて紹介された1980年代初頭から成形しており、Torlonの承認されたプロセッサーとしての豊富な経験があります。また、液晶ポリマー(LCP)樹脂の開発作業にも携わっています。重要なフルオロポリマーパーツを製造するために8穴の大量金型とホットランナーシステムを使用してフルオロエチレンプロピレン(FEP)を成形できる数少ない企業の一つです。

一般的なプラスチックを成形を行うのではなく、顧客が求める特定の用途に応じて、材料品質を選定しています。製造された部品の30%は、「ベスト品質」の価値を提供するグローバル企業へ納品しており、中には非常に厳しい要求もあります。

 

「私たちはたくさんの研究開発、多くのエンジニアリング、そして多くの困難なものに取り組んでいます。」

 

問題

どの金型メーカーも課題としていますが、金型を清潔に保つことは金型製造プロセスにおいて不可欠です。その上で、2つの問題があります。まず第一に、金型は約230℃まで急激に加熱され、金型に入るプラスチックは最大430℃にもなります。この際に、副産物であるガスを液化する際に発生する揮発分が金型に付着してしまいます。パフォーマンス社が使用する材料は特にこのガスが付着しやすく、おそらくタールに似ているのではないか、とメンデ氏は述べています。

もう一つの問題は、プラスチックを流し入れてから充填終了地点に至る際です。充填終了地点では、ガスは金型内の非常にに正確なベントを通して排気されなければなりません。この部品はガスのみを排気し、プラスチックは通さないベントです。このベントは、金型が冷却されるときに凝縮する粒子状ガスの蓄積によって詰まることがあります。適切にベントできないと、ガスは金型を破損させる可能性があり、または品質基準を満たさない部品を製造する可能性もあります。

このような理由からプラスチック業者はベントをクリアに保ち、清潔な金型を維持する必要があります。メンデル氏が述べたように、優れた成形業者は金型内でのガスの蓄積現象に対処する予防保守プログラムを持っています。金型を適切にクリーニングすることは必須だけでなく、習得されたスキルでもあります。金型を破損させてしまうと、入れ替えるのにはかなり高額な費用がかかります。パフォーマンス社の場合は、1部の金型は25万ドルもします。

金型を洗浄する場合、通常は完全に分解する必要があります。生産終了後に冷ましてから金型が取り外され、分解された後に隅々まで洗浄します。その後、再び組み立てて成型機に載せて金型を熱します。この工程は非常に時間がかかるため、多量に生産しているパフォーマンス社は、他の洗浄方法を検討していました。

パフォーマンス社の従来の金型洗浄方法には、さまざまな種類の研磨(グリットブラスト)、溶剤の使用、およびワイヤーブラシの使用が含まれることがあります。溶剤や他の媒体からの二次廃棄物は、環境にとって大きな問題になり得ます。これらの洗浄方法は金属に影響を及ぼすことがあり、金属が浸け置かれる必要があるか、後でデブリを機械的に除去するためにワイヤーブラシを使用する必要があるため、時間がかかる場合があります。これらのケースでは、金型を損傷するリスクがあります。

 

解決策

多くの金型メーカーは、新しいことを導入することに慎重で、懐疑的であるケースが多いです。その中でもメンデル氏はドライアイス洗浄の利点を理解し、Cold Jet i3 MicroClean®をテストすることにしました。

Cold Jetのドライアイス洗浄機は、再利用されたドライアイス(ペレットまたはブロック)を使用します。ドライアイス洗浄の運動エネルギーと熱効果の組み合わせにより、汚れと表面の接続が断たれ、汚染物質が浮き上がります。他の媒体でのブラストとは異なり、ドライアイス洗浄は粒子が対象物に衝突すると気体に変わるため、二次廃棄物を残しません。また、ドライアイス洗浄は無毒で化学薬品などは使用しないため、環境にも人体にも安心です。

 

結果

Cold Jet MicroCleanのテスト結果は良く、すぐに導入されました。プレス内でのクリーニングを行うことでパフォーマンス社の金型寿命は延び、ダウンタイムも大幅に削減されました。

 

「Cold Jetのドライアイス洗浄は、パーティングラインを変えず、金属の変形や損傷の心配はありません。そして何よりも、生産時間を延長できます。いまでは、毎日すべてのシフトで使用しています。」

-メンデル氏

 

メンデル氏は、機上で洗浄出来ることで、はるかに時間を節約すると述べています。分解して洗浄する場合は、丸2日間かかってしまいます。また、パフォーマンス社の場合は機械を加熱するのに4時間、冷却するのに4時間かかります。プラスチック業界ではダウンタイムもコストと考え、以前の洗浄方法はかなり高額になります。金型を傷つけずにダウンタイムが短いのはかなりの利点です。

 

「Cold Jet製品を使用することで、生産時間が約2~5倍延びます。金型を冷却し、取り外し、分解し、再組み立てし、戻し、すべてを加熱する手間と金型破損のリスクを省くことができます。これはかなりの時間短縮とリスク削減になります。私たちは生産時間と立上げコストに敏感で、出来るだけ生産を止めることは避けたいのです。」

-メンデル氏

 

パフォーマンス社では、金型がプレス内で熱い状態でも、また、ベンチで冷たく分解されている状態でも、Cold Jetのドライアイス洗浄を使用しています。

物に合った細かい調整力です。金型への損傷を防ぐため、圧力や設定の調整ができ、溶剤やワイヤーブラシを使用していた時は調整が出来ませんでした。パフォーマンス社の金型は正確なもので、特定の高圧材料のシャットオフは0.0004インチでなければならず、0.0005インチではフラッシュが発生し、0.0002-0.0003インチではベントできず、金属が損傷します。これらの金型は非常に繊細であり、0.0005は人間の髪の直径六分の一に相当します。

 

「かなり精巧で厳密です。ワイヤーブラシで少しでも金属を取ってしまった場合、金型は破損する可能性があります。」

-メンデル氏

 

きれいな金型はより良い品質の部品を生産できます。パフォーマンス社では、生産中にドライアイス洗浄を行うため、常にベントはきれいな状態を保っています。それにより、スクラップ率が低下し、品質が向上しました。それだけではなく、金型洗浄に2人あてていたものを、今では1人で行っています。

 

「他の人にはこれを試してみるよう伝えたいです。確かにこの業界の皆さんは懐疑的に捉える方が多いですが、利益を得るには何らかのリスクを負う必要があります。ドライアイス洗浄は、十分に価値があります。」
とメンデス氏は述べています。

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