ケーススタディ

プラスチック加工工程にかかる洗浄時間が、約4時間から10分未満にまで短くなりました。

状況

射出成形部品の製造プロセスにおいて、ツール洗浄は重要な工程ですが、時間がかかり非効率なものでした。Marquardt社はこの課題を解決するため、ドライアイス洗浄を導入しました。この導入により洗浄時間と機械の停止時間を95%削減し、効率性を大幅に改善しました。

世界的大手自動車サプライヤーの車両には、Marquardt GmbH社のメカトロニクスや電機機械部品が搭載されています。ドイツのリートハイムに拠点を置くMarquardt GmbH社は、駆動システム、制御パネル、電動工具スイッチなどにおいて、世界的なシェアを持っています。車両以外にも、家庭用機器や他の産業の制御および操作パネルにもMarquardt社製品が内蔵されています。リートハイム本社以外に12拠点(9か国)あり、6,000人の従業員が働いています。また、Marquardt社は年間売上の10%を研究開発に投資しています。

 

問題

最先端技術の射出成形では、新しい開発ツール、同時エンジニアリング、そして効果的な実験が重要です。同社は100台以上の機械を使用して約3,000種類の異なる製品を生産しています。最先端技術を駆使している中で、射出成形金型の洗浄は未だに手作業で行われていました。

 

「ツールをきれいな状態に保つことは、製品品質にとって必要不可欠です。コンタミがある場合、部品の損傷や欠陥品生産を増やす可能性があります。そのため、定期的な洗浄を行っています。」
-品質管理 Dieter Stais氏

 

手作業のクリーニングでは、ツールを取り外し、取り付け、再び整列させる必要がありました。そのため、生産の停止時間は4時間になりました。さらに、洗浄力は十分なものではなく、スタッフによって洗浄ムラが出来てしまいます。他の洗浄方法も検討しましたが、ツールへの損傷や摩耗してしまう可能性が高く、導入には至りませんでした。

 

ソリューション

上記の問題点を解決することが出来たのは、Cold Jetのドライアイス洗浄機「Cold Jet i3 MicroClean®」のみでした。

 

「実は一度ドライアイス洗浄を試したことがあり、その際は不採用に終わりました。他社製のドライアイス洗浄機はペレットを使用するもので、洗浄力や懸念事項において満足いくものではなかったからです。Cold Jet製品では、洗浄力もさることながら、損傷や摩耗という面でも細かく調整することができ、弊社射出成型機への度重なるテストにおいて十分な結果を得ることが出来ました。」
-品質管理 Dieter Stais氏

 

本製品が最適なものであるか確認するため、Marquardt社は4週間にわたりテストしました。

MicroCleanは、ペレットではなくブロックを使用します。このドライアイスは、化学や産業工程で発生する副産物を再利用したものになります。この副産物は、たとえばビールの醸造の際に生成され、対応する貿易で標準の工業用ガスとして注文できます。MicroCleanはシェーブ技術を搭載しており、ブロックを削り出しマイクロ粒子を作り出します。この粒子はペレットと比較すると非常に精密で、密度の高い洗浄を行うことが可能になります。また、粒子が小さいことで、騒音レベルもかなり低くなります。

 

ドライアイス洗浄機では、射出成型機を分解せず、熱い状態でも洗浄することが可能です。

 

ドライアイス洗浄機では、射出成型機を分解せず、熱い状態でも洗浄することが可能です。また、ブラスト圧力、ドライアイス吐出量を調整することが出来るだけでなく、ノズルの選択肢も豊富にあります。幅広ノズル、低流量ノズル、90度に曲がったアングルノズル、360度回転可能なロータリーユニオン、など用途に合わせて選択できます。

LEDライトは暗い隙間や見えにくい箇所の洗浄に役立ちます。

 

結果

本洗浄機は、小型で駆動性に優れているため、射出成型機間を移動させることが可能で、ユーティリティも圧縮エアと電源のみです。

 

製品を設定してから5~10分くらいで洗浄が完了するため、以前4時間かけていた洗浄方法から比較すると、大幅に生産性が向上しています。

 

MicroCleanの導入後、洗浄時間が95%短縮されたため、非常に短い期間で投資回収が実現しました。コスト面で大きな利点があり、また品質や最適化も大幅に向上しました。

 

「手作業による洗浄とは異なり、ドライアイス洗浄では細かい隙間なども確実に洗浄することが出来ます。これにより、製造工程全体の最適化へ大きく貢献しています。」
-品質管理 Dieter Stais氏

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