ケーススタディ

ドライアイス洗浄による効率的な品質向上(BMWの修繕工程)

現在の状況

納品後のBMWの修理、クリーニング、復元等を行う業界では、多くのプロセスを要します。オハイオ州シンシナティ最大のBMWサービスセンターであるエンスジアスト・オートグループ社のエリックケラー氏は、「ドライアイス洗浄がこれらのプロセスに効果的な役割を果たすということを、まだ多くの企業では知られていません。」と言及します。

ケラー氏はクラシックカーやプレミアム車を主に担当しており、酸化部分の除去などを行います。酸化は化学反応によるもので、雨や道路の塩などが足回り、ボルト、ハードウェアなどを侵食していきます。

 

「出来るだけクラシックカーの雰囲気を残すため、全てをピカピカの新品のようにきれいにはせず、ただし確実に整備されているように心がけています。腐食の激しい車に対しては、塗装や金属を除去して整備を行います。」
-ケラー氏

問題点

エンスジアスト・オートグループ社は、クラシックな外観を維持しながら、新品に近いエンジンや設備が内蔵されているものを好むお客様に対応しています。一般的に行われる整備方法として、まず車に付着した汚れや堆積物を除去するため高温の圧力洗浄機を使用します。これにより、車の母材を出し、どこを修理するのか明確にします。

汚れを取り除く上で、より強力で集中的な洗浄力が必要ではあったのですが、洗浄力を強くすることで対象物を傷つけてしまい、クラシックカーの価値を下げてしまうリスクも同時にありました。そのため、高温の圧力洗浄機以外にも、多くのツールを用いて洗浄を行いました。

「市場にもよりますが、クラシックカーを整備してきれいにしても、手を加えすぎることで価値が下がる可能性があります。オリジナルに限りなく近い状態・外観であればあるほど、その価値は上昇します。戦前に販売されていたクラシックカーは、新品のイタリア製スポーツカーとは全く異なる市場となるでしょう。」
-ケラー氏

ソリューション

エンスジアスト・オートグループ社は、Cold Jedのドライアイス洗浄機を仕上げ・洗浄工程に取り入れました。従来の洗浄方法では、部品を分解して洗浄する必要があったのですが、ドライアイス洗浄技術では、部品を分解することなく、必要箇所を狙い撃ちすることで洗浄が可能です。例えば、ボルトに付着した赤さび等も、レンチ等を使用しなくても新品のような仕上がりにすることができます。

「洗浄力の調整が可能で、ディープクリーニングを行うのか、表面の洗浄を行うのか等もニーズに合わせて行えます。さらに、従来よりも強力な洗浄が行えるため、より完成度の高いで仕上がりになり、かつ大量の洗剤を使用する必要もないので、経済面でも安全面でも大きなメリットが得られます。」
-ケラー氏

 

結果

クラシックカー市場では、車がオリジナルに近い状態であればあるほど、その価値が高くなります。ドライアイス洗浄では、母材を傷つけることなく洗浄が行えるため、オリジナルの塗装・見た目を残しつつ、新品のように仕上げることが出来ます。

細部にわたる洗浄度合いが上がっただけではなく、時間とコスト・労力も削減されるため、顧客にも会社にも魅力的な洗浄方法でした。

洗浄時間と必要なツールは車の状態によっても異なりますが、約30分~数時間で仕上げることが出来ます。状態が良い車は、ドライアイス洗浄によりハードウェアの酸化やサビを取り除き、リフトに載せたときに見える下側を出来るだけ新品に見えるようにします。

砂や砂利汚れが多い車では、まず車についた付着物を一気に落とし、母材が見えるようにしてからスポットクリーニングをドライアイス洗浄で行います。

 

「この機械はコンパクトなので様々な場所で使用でき、かつこれ以上の優れた仕上がりを出す技術は他にないと思います。」
-ケラー氏

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